面白い山名

これまでに登った山の中で、ユニークな山名、面白い山名を集めてみました。

奥多摩・高尾

ソーヤノ丸デッコ(1260m)

「ドッケ」という言葉は「突起」を表していて、奥多摩にある「三ツドッケ(天目山)」のように山名になることもあります。
この「ドッケ」が転じて「デッコ」になったのかな...という気はしますが、「ソーヤノ」という部分が全く分かりません。

ソーヤノ丸デッコから三頭山方面の展望

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矢ノ音(633m)

奥高尾縦走路から少し南に外れた所にある山で、山名の末尾が「山」「岳」「峰」などではなく、「音」という珍しい山です。
ちなみに「矢ノ音」は「やのね」と読むそうです。

山頂は木々に囲まれていて展望は全くなく、気象観測装置が設置されているだけで、山頂一帯を見渡しても「矢」や「音」の要素が全く感じられません。
こちらのブログによると、「矢ノ音という山名は戦国時代に武田氏と北条氏が放ち合った凄まじい矢の音に由来する」とのことですが、何となくこの説が正しいように感じます。

矢ノ音の山頂標識

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赤ぼっこ(409.6m)

「黒くてボクボクした土」が「黒ボク土」と呼ばれているので、「赤ぼっこ」は赤土の山なのかな...と思っていたら、予想通り山頂部で露出している赤土に由来する山名でした。
山頂にあった看板によると、関東大震災で表土の一部が崩れて赤土が露出したことが山名の由来だそうです。

赤ぼっこの山頂標識 赤ぼっこの由来

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丹沢・湘南・三浦

シダンゴ山(758.1m)

Wikipediaには「仏教を布教した仙人の名前が『シダゴン』で、それが転じて『シダンゴ』になった」と書かれていました。
ちなみに「シダンゴ」を漢字で書くと「震旦郷山」だそうです。

もし山名が「シダンゴ」になっていなかったら、「シダゴン」という何だかウルトラマンの怪獣みたいな山名になっていたのかもしれません。

シダンゴ山

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日高(1461m)

山名の末尾が「高」というのも珍しいですが、読み方が「ひだか」ではなく「ひったか」なのがとても興味深いです。
何かの言葉が転じて「ひったか」となり、そこから「日高」という漢字があてられたのではと考えていますが、山名の語源となる言葉が全く思いつきません。

日高の山頂標識

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ソッカー(189m)

三浦半島の付け根近く、葉山町にある低山です。
名前は「ソッカー」らしいのですが、山頂の標識は「戸根山」になっています。

それにしても「ソッカー」という名前があまりにも謎です。 元々が「ソッカ」「ソカ」という名前だとしても、いずれも地名や山名とは思えない名称なので、「ソッカー」の由来は全く分かりません。

ソッカー(戸根山)の山頂標識

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奥武蔵・秩父

スカリ山(435.1m)

奥武蔵エリアにある目立たないピークで、越上山(おがみやま)と物見山を結ぶ稜線の中間付近にあります。

「すかり」をWeb上の国語辞典で調べてみると、「貝類を入れる網製のびく」と「鉱脈や岩石などの中にできた空洞」という2つの言葉がヒットしました。
スカリ山は海から遠く離れた山奥で、貝類に絡む言葉の可能性は低そうなので、「鉱脈や岩石などの中にできた空洞」という意味で名付けられたのではないかと考えています。

スカリ山山頂からの展望

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ゴリラ山(240m)

竹沢駅、東武竹沢駅近くにある金勝山の裏手にある小さなピークで、金勝山一帯では一番眺望の良い場所かもしれません。

山名に「ゴリラ」と付いてるものの、山頂にゴリラの像があるわけでもなく、なぜゴリラ山という山名になったのかが分かりません。
何らかの語句が転じて「ゴリラ」になったのかもしれませんが、現時点では山名の由来に関する情報は見当たりません。

ゴリラ山の山頂標識 ゴリラ山山頂からの展望

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その他

王ヶ鼻(2008m)

日本百名山として知られる「美ヶ原」のピークの名前で、「麓の松本から美ヶ原を見上げると、『王ヶ頭』が冠を戴いた王の顔で『王ヶ鼻』が王の鼻に見える」というのが由来だそうです。
ですが、松本市街地から見ても「山頂部が平らになっている山」にしか見えず、どこが冠や鼻なのかが分かりませんでした...

山名の末尾が「山」「岳」「峰」ではない山はそれなりにありますが、「鼻」が使われているのはとても珍しいケースだと思います。

松本市街地から見える美ヶ原

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ナットウ箱山(1412.4m)

山梨県東部にある山で、展望もなく、珍しい植物が自生しているわけでもなく、本当に地味な山です。
すぐ隣にある達沢山という山は山梨百名山の一つに数えられていますが、ナットウ箱山は山名が付いていなければ「ちょっとしたコブのようなピーク」として扱われていたかもしれません。

山名の「ナットウ」は納豆のことだと思いますが、山梨県東部は納豆の名産地というわけではありません。
また、納豆の箱といえば発泡スチロール(ポリスチレン)の白いパックしか思い浮かびませんが、山麓にあるのは採石場だけで、発泡スチロールの工場らしきものはありませんでした。

さらに色々と調べてみると、山名の「納豆の箱」というのは「経木を折って作られた三角形のパッケージ」のことを指しているという説を見かけました。
何となくこの説が有力だと思いますが、次に近くを通りかかったら山容を確認してみたいと思います。

ナットウ箱山の山頂標識

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中小場(2232.4m)

北八ヶ岳の茶臼山の南に位置する小ピークで、ここからは茶臼山の展望が楽しめます。
手頃な大きさの岩が多いので、腰を下ろして展望を楽しみながら休憩するのにピッタリです。

この山の名前は「なかこば」と読みますが、他に似たような山名は聞いたことがありません。
「中小」を「ちゅうしょう」ではなく「なかこ」と読むのは、この山名以外では知りません。
「○○場」という名前だと、箱根に「鷹打場(たかうちば)」というピークがあるものの、かなりレアな名前だと思います。

中小場の山頂標識 中小場から茶臼山方面の展望

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