自然と登山のページ
最近は何でもネットで完結する時代ですが、これまでに研究、あるいは仕事で役立った書籍をまとめてみました。
通称「これ論」で、論文執筆の際に必要な情報が一通り詰まっている本です。
論文の書き方に留まらず、論文の投稿方法や論文の審査方法、レフェリー(査読者)とのやり取りなどについても書かれているため、この本を読めば論文の執筆から掲載までの一連の流れを掴めると思います。
また、植物生態学や進化生態学をベースにした内容となっていますが、初版→大改訂増補版→究極の大改訂版と改訂を重ねているので、生態学以外の分野の方にも広く読まれているのだと思われます。
植生学の入門書的な位置づけの本ですが、残念ながら既に絶版になっているようです。
「高山・亜高山帯」「山地・丘陵地・平地」「島嶼」という3つのカテゴリーに分類されており、カテゴリー内では「三頭山のブナは絶滅寸前なのか?」などのテーマごとに章立てされています。
特に植生の垂直分布に関する章が多く、私が森林植生の垂直分布に関する研究に興味を持つきっかけとなった本です。
「植生環境学: 植物の生育環境の謎を解く」を読んで、自然地理学に興味が出て手に取ったのがこの本です。
この本では、偏形樹や防風林・屋敷林から風向や風速などの気候を推定した事例が紹介されており、この本をきっかけに修士論文を書き上げることができました。
なお、私は2000年に出版された初版を買いましたが、2009年に出版された増補版は2026年現在でも新品を入手可能なようです。
朝倉書店から2004年に出版された本で、残念ながら既に絶版になっているようです。
生産(光合成)、繁殖(開花、性表現など)、個体群動態、群集・景観、土壌と栄養動態など幅広い内容が1冊にまとめられています。
「植物生態学」という名前の本は他にもいくつかありますが、この本ほど幅広い内容がまとめられたものはないと思うので、ぜひ改訂版を出版して欲しいと思っています。
分布域、生活型、性表現(雌雄同株, 雌雄異株, ...)、花序の形、果実の種類(液果, )、葉の付き方(互生, 対生)のような基本的な情報に加えて、冬芽の形、托葉の有無、短枝の有無、二度伸びの有無のような細かな情報も記載されています。
また、普通の植物図鑑だと葉や花のアップで写した写真が多いですが、この本では花の断面図や芽の形、芽吹きや新葉などの写真が豊富で、これらの写真だけでも唯一無二の存在だと思います。
このように価値の高い本だと感じる一方で、残念な点が多いとも感じました。
1点目は、ヒマラヤスギ、ロウバイ、ヒイラギナンテン、モミジバフウなど園芸種の情報が多く、在来種の情報が削られていると感じたことです。
2点目は種ごとに情報量がバラバラな点で、シュートの成長の仕方を図示した「分枝図」や、開花や開葉などの時期を図示した「成長グラフ」などがない種が多かったことです。
分類体系が従来のエングラーから、最新のAPGに変わっている点が大きな特徴です。
分布域や自生地の環境、花や葉などの形態だけでなく、栽培時の注意点や学名の由来なども掲載されている点も特徴的です。
国内の樹木だけでなく、外国産の庭園樹や園芸種なども掲載されているため、学術用途だけでなく園芸愛好家など一般の方でも使いやすいのではと感じました。
主に花・茎・芽・根という植物の部位ごとに、普段あまり目にしない用語も含めて解説されており、その英訳や写真・模式図も付いているのが特徴です。
例えば、散形花序(umbel)、三回奇数羽状複葉(triimpari-pinnate leaf)、匍匐茎(repent stem)、ラン型菌根(orchid mycorrhiza)、異形花型不和合性(heteromorphic incompatibility)など様々な語句が収録されています。